「透析に行くときは、何を持っていけばいいの?」
透析を始めたばかりのころは、こんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
病院から必要なものについて説明を受けていても、実際に通い始めてみると
「上着を持ってくればよかった」
「イヤホンがあると便利だった」
「毎回準備するのが意外と大変……」
など、あとから気づくこともたくさんあるでしょう。
血液透析は1回に数時間かかるため、治療に必要なものだけでなく、透析中をできるだけ快適に過ごすためのものがあると重宝します。
この記事では、透析に必要な基本の持ち物から、透析中にあると便利なおすすめグッズまで、看護師の視点からわかりやすく紹介します。
ただし、必要な持ち物は透析施設によって異なります。最初からすべて買いそろえる必要はありません。
まずは通っている透析施設から指定されたものを準備してください。そして、実際に透析を受けながら、自分に必要なものを少しずつ追加していくとよいでしょう。
この記事でわかること
- 透析に毎回持っていく基本的なもの
- 初めて透析に行くときに確認したいもの
- 透析中にあると便利なおすすめグッズ
- 透析中の寒さ対策や暇つぶしに役立つもの
- 透析の忘れ物を減らす工夫
透析には何を持っていけばいい?
まず、一般的に透析に持っていくものをまとめてみました。

「こんなに必要なの?」と思った方もいるかもしれません。
しかし、この表にあるものをすべて用意する必要はありません。
透析施設によってはタオルやブランケット、止血ベルトなどを用意している場合があります。
反対に、自分で準備するよう指定されている施設もあります。
そのため、まずは透析施設から渡された持ち物の案内を確認することが最優先です。
わからないものがあれば、購入する前に看護師やスタッフへ確認してみましょう。
まずはこれ!透析で必要になる基本の持ち物
ここからは、透析に通う際に必要になることが多いものを、一つずつご紹介します。
診察券・マイナ保険証など
診察券は、受付や透析室への入室時・ご本人確認などで使用することがあります。
また、医療機関では保険資格の確認が必要になるため、マイナ保険証なども忘れないようにしましょう。
ただし、受付方法や確認方法・頻度は医療機関によって異なります。
普段使用している財布やカードケースにまとめておくと、忘れにくくなります。
お薬手帳
透析患者さんにとって、お薬の情報はとても大切です。
透析を始めると、血圧の薬やリン吸着薬など、複数の薬を使用することがあります。
また、ほかの病院やクリニックを受診して薬が追加・変更されることもあります。
そのため、お薬手帳を持っていると、「現在どの薬を飲んでいるのか」を医師・看護師・薬剤師が確認しやすくなります。
特に、
- 新しい薬が追加された
- 薬の量が変更された
- ほかの病院を受診した
- 市販薬を使用した
といった場合は、透析スタッフにも伝えておきましょう。
最近では電子版のお薬手帳を利用している方もいます。自分が管理しやすい方法で、最新の薬の情報がわかるようにしておくことが大切です。
止血ベルト
血液透析では透析終了後に針を抜いたあと、穿刺した部分をしばらく押さえて止血します。
そのときに使用することがあるのが止血ベルトです。
ただし、止血の方法は透析施設によって異なります。
施設で止血ベルトを用意しているところもあれば、自分専用のものを準備する場合もあります。
そのため、透析を始める前から自己判断で購入する必要はありません。
「止血ベルトは自分で準備したほうがいいですか?」
と透析施設に確認してから購入するとよいでしょう。
また、止血ベルトは多くの患者さんが使用しています。お名前を書いておくと取り違え防止になるのでおすすめです。
タオル
透析施設によっては、タオルを持参するよう案内されることがあります。
シャントのある腕の下に敷いたり、汗を拭いたりするなど、用途はさまざまです。
一方で、施設側でタオルを準備している場合もあります。
「透析用だから特別なタオルを買わなければ」と考える必要はなく、施設から特別な指定がなければ、普段使っているもので十分です。
ティッシュ・ウェットティッシュ
ティッシュやウエットティッシュも、バッグに入れておくと便利です。
透析中は一度針を刺すと、シャント側の腕を大きく動かしにくくなります。
鼻をかみたい、口元を拭きたいなど、ちょっとしたときに手元にティッシュがあると助かります。
小さなものをあらかじめ透析バッグに入れておけば、毎回準備する必要はありません。
透析施設から指定されたもの
ここまでいくつか紹介しましたが、最も大切なのは透析施設から指定された持ち物です。
必要なものは施設によってかなり違います。
たとえば
- タオル
- 止血ベルト
- スリッパ
- イヤホン
- 着替え
- テレビ用カード
などが必要になることがあります。
反対に、これらを施設側で用意している場合もあります。
インターネットやSNS、本サイトで「透析におすすめ」と紹介されているからといって、すべて購入する必要はありません。
まず施設のルールを確認してから必要なものだけをそろえる。
これが、透析の持ち物を準備するときの基本です。
初めて透析に行く日は何を持っていけばいい?

これから初めて透析を受ける方は、普段の通院以上に「忘れ物がないかな?」と心配になるかもしれません。
初日は、まず病院や透析施設から渡された案内を確認しましょう。
病院から渡された書類を確認しよう
透析を始める前には、病院から説明書や持ち物についての案内を渡されることがあります。
まずはそこに書かれているものを準備すれば大丈夫です。
問診票や同意書の記入・提出を求められている場合は、それらも忘れないようにしましょう。
現在飲んでいる薬がわかるもの
初回の透析では、現在使用している薬について確認されることがあります。
お薬手帳があれば持参しましょう。
お薬手帳がない場合には、薬の説明書や薬そのものなど、現在飲んでいる薬がわかるものを準備しておくと確認しやすくなります。
シャントや透析について渡された資料
透析導入前後には、シャントの管理方法や透析生活について説明を受けることがあります。
病院から資料や冊子を渡されている場合は、必要に応じて持参しましょう。
わからないことをメモしておき、透析中にスタッフへ質問するのもよい方法です。
初日は荷物が少し多くても大丈夫
初めての透析では、
「これも必要かな?」
「念のため持っていこう」
と、荷物が多くなってしまうことがあります。
でも、それで大丈夫です。
何回か透析に通っているうちに、
「これは毎回使う」
「これはなくても困らない」
「自分はこれがあると快適」
というものがわかってきます。
透析は長く付き合っていく治療です。
最初から完璧な持ち物セットを作ろうとせず、通いながら自分に合ったものをそろえていきましょう。
透析中にあると便利なおすすめグッズ
ここからは「絶対に必要」というわけではありませんが、透析中にあると便利なものを紹介します。
イヤホン・ワイヤレスイヤホン
透析中にテレビを見たり、スマートフォンやタブレットで動画を見たりする方にはイヤホンが便利です。
透析室にはほかの患者さんもいるため、音を出さずに楽しめます。
ただし、テレビ設備やイヤホンの接続方法は施設によって異なります。
また、ワイヤレスイヤホンはコードが邪魔になりにくい反面、小さいためベッドの隙間などに落としてしまうことがあります。
自分が扱いやすいものを選びましょう。
スマートフォン・タブレット
透析中の数時間を過ごすために、スマートフォンやタブレットを利用する方もいます。
動画を見る、電子書籍を読む、音楽を聴くなど、さまざまな使い方ができます。
ただし、透析中はシャントに針が入っています。
特にシャント側の腕は大きく動かさないようにする必要があるため、透析が始まる前にスマートフォンなどを取りやすい位置に置いておくと便利です。
落として拾おうとして急に腕を動かすことがないよう、置き場所にも気をつけましょう。
施設によってはスマートフォンやタブレットが持ち込めない場合もありますので、施設の方針に従ってください。
モバイルバッテリー・充電ケーブル
透析は時間がかかるため、スマートフォンやタブレットを長時間使用すると充電が減ってしまうことがあります。
モバイルバッテリーがあると安心です。
ただし、施設によってはコンセントの使用について決まりがあります。
透析装置などの医療機器も使用しているため、病院のコンセントを自己判断で使用せず、必ず施設のルールを確認しましょう。
本・電子書籍
読書が好きな方は、本や電子書籍も透析中の過ごし方の一つです。
ただし、紙の本はページをめくるために両手を使いたくなることがあります。
シャント側の腕を動かしにくい場合には、電子書籍やタブレットをスタンドに置くなど、自分が楽に使える方法を探してみるとよいでしょう。
透析の持ち物で意外と大切なのが、「何を持っていくか」だけでなく「透析が始まる前にどこへ置くか」です。
透析が始まってから「あ、スマホをバッグの中に入れたままだった」と気づいても、シャント側の腕を自由に動かせないことがあります。
イヤホン、スマートフォン、ティッシュ、飲み物など、透析中に使う可能性があるものは、穿刺をする前に取りやすい位置へ準備しておくと安心です。
透析中の寒さ対策におすすめの持ち物

透析を受けていると
「透析室にいると寒く感じる」
「透析の後半になると体が冷えてくる」
と感じる方もいます。
特に夏は、外が暑いため薄着で病院へ行ったものの、透析室では冷房が効いていて寒く感じることもあります。
寒さを感じやすい方は、自分で調整できるものを1つ持っておくと便利です。
カーディガンなどの羽織れるもの
透析中の寒さ対策には、必要なときに簡単に羽織れるものがおすすめです。
ただし、血液透析ではシャントに針を刺すため、服装によっては腕を十分に出せないことがあります。
特に袖口が細い服や、腕まくりをすると強く締めつけられる服は、穿刺やシャントの観察がしにくくなることがあります。
前開きのカーディガンやゆったりした上着など、シャント側の腕を出しやすいものを選ぶと使いやすいでしょう。
靴下・レッグウオーマー
足元が冷えやすい方は、靴下やレッグウォーマーを準備しておくのも一つの方法です。
特に夏はサンダルなどで通院すると、透析中に足元だけ寒く感じることがあります。
透析バッグに1足入れておけば、寒いときだけ使用できます。
ブランケット・電気毛布
ブランケットを用意している透析施設もあります。
一方で、自分用のものを持参できる施設もあります。
自分で用意する場合は、大きすぎるものよりも、持ち運びしやすく透析中に扱いやすいサイズのものが便利です。
ただし、持ち込みについては施設のルールを確認してください。
また、透析中に寒気が強い、震える、急に体調が悪くなったといった場合には、単なる「冷え」と決めつけず、看護師やスタッフに伝えましょう。
透析中の暇つぶしにおすすめのもの
血液透析は1回に数時間かかります。
「毎回、何をして過ごそう?」
と悩む方もいるでしょう。
透析中はずっと眠っていなければならないわけではありません。
体調や施設のルールに問題がなければ、自分に合った方法で過ごすことができます。
スマートフォンやタブレット
動画を見たり、ニュースを読んだり、ゲームをしたりと、1台でさまざまなことができます。
ただし、透析中はシャント側の腕を動かしにくいため、長時間手に持っていると疲れてしまうことがあります。
スマートフォンスタンドなどを利用すると楽に見られる場合もあります。
また、音を出す場合は周囲の患者さんへの配慮も必要です。イヤホンなどを使用しましょう。
動画や映画
映画やドラマ、動画なども、透析中の過ごし方の一つです。
普段なかなか見る時間がない作品を「透析の日に見る」と決めておくと、数時間を過ごしやすくなるかもしれません。
施設のWi-Fiが利用できるかどうかは施設によって異なります。
通信量が気になる場合は、自宅で動画をダウンロードしておく方法もあります。
本・電子書籍
読書が好きな方は、透析の時間を読書時間にするのもよいでしょう。
紙の本でも構いませんが、片手で扱いにくい場合は電子書籍のほうが使いやすいこともあります。
音楽・ラジオ・音声コンテンツ
「画面をずっと見ていると疲れる」という方には、音楽やラジオなど、耳で楽しめるものもおすすめです。
目を閉じたまま楽しめるため、透析中に少し休みたいときにも向いています。
自分が無理なく楽しめるものを探してみましょう。
夏と冬で透析の持ち物を少し変えてみよう
1年中まったく同じ持ち物にする必要はありません。
季節に合わせて透析バッグの中身を少し入れ替えると、より快適に通院できます。
夏にあると便利なもの
夏は、
- 汗を拭くためのタオル
- 汗拭きシート
- 薄手のカーディガン
- 替えのマスク
などがあると便利です。
特に注意したいのが、外の暑さと透析室の温度差です。
暑い日に薄着で通院すると、冷房の効いた透析室では寒く感じることがあります。
「夏だから上着はいらない」と決めず、寒さを感じやすい方は薄手の羽織ものをバッグに入れておくと安心です。
冬にあると便利なもの
冬は、
- 靴下
- カーディガン
- 防寒用の上着
- ブランケット
などが役立つことがあります。
ただし、厚着をしすぎるとシャント側の腕を出しにくくなることがあります。
透析の日は、暖かさだけでなく、腕を出しやすい服装かどうかも考えて選ぶとよいでしょう。
透析のために最初から買わなくてもよいものもある
インターネットで透析について調べていると、
「透析におすすめ」
「透析患者さんに便利」
と紹介されている商品を見かけることがあります。
これから透析を始める方は、「全部準備したほうがいいのかな」と思うかもしれません。
しかし、最初から透析専用のグッズをたくさん買いそろえる必要はありません。
たとえば、
- 止血ベルト
- タオル
- ブランケット
- イヤホン
- スリッパ
などは、施設によって準備されている場合があります。
また、実際に透析を受けてみると、
「自分はブランケットを使わなかった」
「テレビを見ないのでイヤホンは必要なかった」
ということもあります。
反対に、
「足が冷えるから靴下が必要だった」
「スマートフォンを見るのでスタンドがあると楽だった」
など、自分に必要なものが後からわかってくることもあります。
まずは施設から指定されたものだけを準備する。
そして透析に何回か通ってから、本当に必要だと感じたものを追加する。
この順番で十分です。
透析バッグを1つ作っておくと忘れ物を減らせる
透析に慣れてきたら、「透析専用バッグ」を1つ作っておくのもおすすめです。
血液透析は一般的に週に複数回通院するため、そのたびに必要なものを一から準備するのは意外と手間がかかります。
そこで、普段から透析で使うものを1つのバッグにまとめておきます。
たとえば、
- イヤホン
- ティッシュ
- タオル
- 羽織るもの
- 充電ケーブル
- 施設から指定されたもの
など、毎回使用するものを入れておきます。
帰宅後、使ったものだけ補充しておけば、次回の準備が楽になります。
玄関近くに置いておく
透析バッグを置く場所を決めておくのもポイントです。
玄関付近など、出かけるときに必ず目に入る場所に置いておくと忘れにくくなります。
前日の夜に確認する
透析当日の朝は、準備に時間を取れないこともあります。
前日の夜にバッグの中を確認しておけば、余裕を持って通院できます。
持ち物チェックリストを作っておく
「何を持っていくんだったかな?」
と毎回考えるのが大変な場合は、簡単なチェックリストを作っておくのもよいでしょう。
スマートフォンのメモ機能を使ってもよいですし、紙に書いて透析バッグの中に入れておいても構いません。
特に透析を始めたばかりの時期は、持ち物がまだ習慣になっていません。
何回か通ううちに、自分にとって必要なものが決まってきます。
透析が始まる前に「手元に置くもの」を確認しよう
持ち物と同じくらい大切なのが、透析が始まる前の準備です。
透析ではシャントに針を刺します。
穿刺後は、安全のためにもシャント側の腕を大きく動かさないようにします。
そのため、
「スマートフォンがバッグの奥に入っている」
「ティッシュを取るために体を大きくひねらないといけない」
「イヤホンを車に忘れた」
といったことに透析が始まってから気づくと困ることがあります。
透析が始まる前に、
「この数時間で使いそうなものは手元にあるかな?」
と一度確認してみましょう。
スマートフォン、イヤホン、ティッシュなどを取りやすい場所に置いてから透析を始めると、透析中に無理な姿勢をとったり、シャント側の腕を大きく動かしたりすることを減らせます。
もし透析中に必要なものがバッグの中にある場合は、無理に自分で取ろうとせず、スタッフに声をかけてください。
看護師からのひとこと

透析を始めたばかりの患者さんから、
「みなさん何を持ってきていますか?」
「何を準備したらいいですか?」
と聞かれることがあります。
でも、透析の持ち物に「全員にとっての正解」があるわけではありません。
寒がりの方もいれば、透析中はほとんど眠って過ごす方もいます。
テレビを見る方、本を読む方、スマートフォンを使う方など、透析中の過ごし方も人それぞれです。
そのため、最初からたくさんのものを準備しなくても大丈夫です。
まずは透析施設から指定されたものを準備してみてください。
そして何回か透析を受けながら、
「私は寒くなりやすいから上着を入れておこう」
「透析中は動画を見るからイヤホンが必要」
「ティッシュは手元にあると便利」
というように、少しずつ自分に必要なものを見つけていけば十分です。
自分なりの「透析セット」ができてくると、通院の準備も少し楽になります。
わからないことがあれば、遠慮せず透析室のスタッフに聞いてみてくださいね。
まとめ|透析の持ち物は少しずつ自分に合わせよう
透析に必要な持ち物は、透析施設によって異なります。
まずは病院や透析施設から指定されたものを準備しましょう。
そのうえで、実際に透析を受けながら、
- 寒ければ羽織るもの
- テレビや動画を見るならイヤホン
- スマートフォンを使うなら充電用品
- 読書をするなら本やタブレット
など、自分の過ごし方に合わせて必要なものを追加していけば十分です。
特に大切なのは、最初から「透析用」として何でも買いそろえないことです。
施設に用意されているものもありますし、実際には自分には必要なかったということもあります。
また、透析に慣れてきたら、よく使うものをまとめた「透析専用バッグ」を作っておくと準備が楽になります。
そして透析当日は、穿刺する前にスマートフォンやイヤホン、ティッシュなど、透析中に使いそうなものを手元に準備しておきましょう。
透析を始めたばかりのころは、治療そのものだけでも覚えることがたくさんあります。
持ち物については、最初から完璧を目指さなくても大丈夫です。
通いながら少しずつ、自分にとって使いやすい「透析の持ち物」を整えていきましょう。


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