夜間透析とは?何時から?仕事との両立やメリット・デメリットを看護師が解説

仕事

「透析を始めても、今までの仕事を続けられるのかな」

「仕事が終わってから透析を受けることはできる?」

透析を受けながら今までどおり仕事を続けたい方にとって、透析を受ける曜日や時間帯は大きな問題です。

血液透析を行っている医療機関のなかには、日中だけでなく、夕方から夜にかけて透析を受けられる施設があります。

仕事の終了時間と透析施設の受け入れ時間が合えば、日中は今までどおり仕事をして、仕事が終わってから透析を受けるという生活も可能です。

その反面、夜間に透析を受けると帰宅時間が遅くなるため、食事や睡眠、翌日の仕事なども含めてよく考える必要があります。

この記事では、夜間透析とはどのようなものなのか、時間帯や仕事との両立、メリット・注意点、透析施設を探すときに確認したいポイントを看護師がわかりやすく解説します。

この記事でわかること

  • 夜間透析とはどのような透析なのか
  • 夜間透析は何時から受けられるのか
  • 仕事をしながら透析へ通う方法
  • 夜間透析のメリットと注意点
  • 夜間透析とオーバーナイト透析の違い
  • 夜間透析を行っている施設を探すときのポイント

夜間透析とは?

一般に「夜間透析」という言葉は、夕方から夜の時間帯に行われる血液透析を指して使われています。

実は透析は日中だけおこなわれているわけではありません。

日中に仕事や学校などがある方でも通院しやすいよう、夕方以降も血液透析を実施している施設があり、その時間帯におこなっている透析を「夜間透析」というのです。

ただし、「夜間透析」という言葉だけで全国共通の開始時刻や終了時刻が決められているわけではありません。

実際に何時から透析を受けられるのか、何時までに来院すればよいのかは、それぞれの透析施設へ確認する必要があります。

昼間の透析と何が違う?

通常の施設血液透析と夜間透析では、まず大きく異なるのが透析を受ける時間帯です。

夜間透析だからといって、それだけを理由に日中と別の治療になるわけではありません。

透析時間などは、患者さんの状態などを考慮して決められます。

日本透析医学会の「維持血液透析ガイドライン:血液透析処方」では、透析時間や透析量など、維持血液透析の処方について示されています。

そのため、

「夜に受ける透析だから短くできる」

「通院回数を減らせる」

というものではありません。

自分に必要な透析時間を確保したうえで、生活に合わせられる時間帯を考えることが大切です。

夜間透析とオーバーナイト透析は違うの?

ここは混同しやすいため注意が必要です。

この記事で扱う夜間透析は、夕方から夜に血液透析を受け、透析終了後に帰宅する形を想定しています。

一方、「深夜長時間血液透析(nocturnal hemodialysis)」という透析方法もあります。

日本透析医学会雑誌に2025年に掲載された研究では、施設内で行う深夜透析、いわゆるオーバーナイト透析について、一般的に週3回、1回約8時間の長時間透析を夜間の就寝中に行う治療方法として説明されています。

つまり

夕方~夜に透析を受けて帰宅する夜間透析

と、

夜間に眠りながら長時間の透析を行うオーバーナイト透析

は、区別して考えたほうがわかりやすいでしょう。

なお、オーバーナイト透析の方法やオーバーナイト透析が受けられる患者さん、実施体制などは施設によって異なります。

夜間透析は何時から何時まで?

「仕事が終わってから通いたい」という方にとって、一番気になるのが時間でしょう。

夜間透析の開始時間や最終入室時間は透析施設によって異なります。

そのため、

「夜間透析は○時から○時まで」

と全国一律の時間を示すことはできません。

「夜間透析あり」だけで判断しないことが大切

仕事との両立を考えて透析施設を探す場合は、

  • 夜間透析を行っている曜日
  • 何時から入室できるか
  • 最終入室時間は何時か
  • 透析終了予定時刻
  • 祝日などの診療体制

などを確認しましょう。

特に重要なのが最終入室時間です。

最終入室時間とは一般的に「透析を始められる一番遅い時間」のことを意味します。病院に到着する時間ではないことが多く、注意が必要です。

夜間透析を行っている施設でも、仕事が終わる時間によっては透析開始に間に合わない可能性があります。

夜間透析なら仕事が終わってから通える?

勤務時間と透析施設の受け入れ時間が合えば、仕事が終わってから透析を受けられる場合があります。

たとえば、

8:30 出勤
↓
17:00 退勤
↓
透析施設へ移動
↓
夜間透析
↓
透析終了後に帰宅

といった生活が考えられます。

ただし、これはあくまで一例です。

実際の時間は、勤務時間、通勤時間、透析施設の診療体制、必要な透析時間などによって変わります。

職場から透析施設までの時間も考えよう

仕事との両立を考える場合、透析施設は自宅からの距離だけでなく、

職場 → 透析施設 → 自宅

という動線で考えてみることをおすすめします。

自宅から近い透析施設でも、職場から遠ければ透析開始に間に合わない可能性があります。

反対に、職場の近くに夜間透析を行っている施設があれば、仕事を終えてそのまま通院しやすくなることもあります。

夜間透析のメリット

日中の時間を仕事に使いやすい

夜間透析の大きなメリットは、日中の時間を仕事などに使いやすいことです。

昼間に透析を受ける場合、勤務時間を短くしたり、透析日に仕事を休んだりする必要が生じることがあります。

勤務時間と夜間透析の時間がうまく合えば、日中の勤務時間を確保しやすくなります。

仕事を休んだり早退したりする回数を減らせる場合がある

仕事終了後に透析を受けられれば、透析のために勤務途中で早退する必要がなくなる場合があります。

仕事を続けたい方にとって、夜間透析は治療と仕事を両立するための選択肢のひとつです。

ただし、勤務時間や仕事内容、透析後の体調には個人差があります。

「夜間透析なら必ずフルタイムで働ける」というわけではありません。

夜間透析のデメリット・注意点

夜間透析は仕事との両立に役立つ場合がありますが、メリットだけではありません。

長く続けていく治療だからこそ、生活全体への影響も考える必要があります。

帰宅時間が遅くなる

夕方から透析を始めるため、透析終了後の帰宅時間は遅くなります。

そこから食事や入浴、翌日の準備などをすると、就寝時間も遅くなる可能性があります。

夜間透析を検討するときは、透析開始時間だけを見るのではなく、

「何時ごろ自宅に帰れるのか」

まで確認しておきましょう。

透析後に体調の変化がみられることがある

血液透析では、透析中や透析後に血圧低下、倦怠感、筋けいれんなどがみられることがあります。

症状の程度には個人差があります。

仕事を終えてから透析を受け、翌朝から再び仕事をする生活になる場合には、透析後や翌日の体調も確認しながら勤務スケジュールを考えることが大切です。

体調不良が続く場合は無理をせず、透析施設のスタッフに相談しましょう。

食事の時間が変わることがある

仕事が終わってから透析へ直行すると、普段の夕食時間と透析時間が重なることがあります。

透析前に食べるのか、透析中・透析後の食事をどうするのかについては、患者さんの状態や施設の方針によって異なります。

薬の服用時間も含め、自己判断で変更せず、医師・看護師・管理栄養士などに確認してください。

睡眠時間が短くならないか確認する

透析終了後の帰宅が遅くなれば、就寝時間も遅くなる可能性があります。

特に翌日の出勤時間が早い方は、

透析 → 帰宅 → 食事・就寝 → 翌朝出勤

という生活を無理なく続けられるか考えてみましょう。

夜間透析を検討するときに確認したいこと

夜間透析を検討するときは、単に「夜まで透析をしているか」だけで決めないことが大切です。

次のような項目を確認しておきましょう。

  • 夜間透析を実施している曜日
  • 透析を開始できる時間
  • 最終入室時間
  • 必要な透析時間を確保できるか
  • 職場から透析施設までの移動時間
  • 透析終了後の帰宅手段
  • 帰宅予定時間
  • 食事のタイミング
  • 睡眠時間
  • 翌日の勤務時間
  • 残業が発生した場合の対応

特に仕事との両立では、透析を始める時間だけではなく、1日の生活全体を見ることがポイントです。

夜間透析を行っている施設はどうやって探す?

現在通っている透析施設で夜間透析を行っていない場合は、まず医師やスタッフに相談してみましょう。

仕事を続けたいことや勤務時間などを伝えれば、通院スケジュールについて相談できる場合があります。

別の透析施設を検討するときには、

「夜間透析をしていますか?」

だけではなく、

「仕事が17時に終わりますが、何時までに入ればよいですか?」

「夜間透析は何曜日に行っていますか?」

「透析が終了するのは何時ごろになりますか?」

など、自分の勤務時間を伝えて具体的に確認するとよいでしょう。

ホームページに「夜間透析」と書かれていても、実施曜日や時間、現在の受け入れ状況が変わっている可能性があります。

希望する施設へ直接確認してください。

夜間透析についてよくある質問

夜間透析は何時から受けられますか?

全国共通の開始時間はありません。

開始時間や最終入室時間は施設によって異なるため、希望する透析施設へ確認してください。

夜間透析なら透析時間を短くできますか?

夜に透析を行うことを理由に、必要な透析時間を自己判断で短くすることはできません。

透析時間や透析量は患者さんの状態などをもとに決められます。

夜間透析でも週3回ですか?

日本では施設血液透析として週3回の治療が広く行われていますが、必要な透析回数や時間は患者さんの状態や治療方法によって異なります。

主治医が決めた透析スケジュールに従いましょう。

残業で透析に間に合わないときはどうすればいいですか?

自己判断で透析を休んだり、治療時間を短くしたりせず、透析施設へ連絡してください。

仕事と透析を両立する場合は、透析日は残業を避けられるよう職場とあらかじめ相談しておくことも方法のひとつです。

オーバーナイト透析とは何ですか?

夜間の睡眠時間を利用して行う長時間血液透析です。

2025年の日本透析医学会雑誌に掲載された施設内深夜透析の研究では、一般的に週3回、1回約8時間の長時間透析を夜間就寝中に行う方法として説明されています。

この記事で紹介している、仕事終了後などに透析を受けてその日のうちに帰宅する「夜間透析」とは区別して考えましょう。

夜間透析は仕事と透析を両立する選択肢のひとつ

夜間透析は、日中に仕事をしている方にとって、透析と仕事を両立するための選択肢のひとつです。

勤務時間と施設の受け入れ時間が合えば、日中は仕事をして、仕事終了後に透析を受けることもできます。

一方で、

仕事 → 透析 → 帰宅 → 食事・睡眠 → 翌日の仕事

という生活になります。

透析に「通えるか」だけではなく、帰宅時間や食事、睡眠、透析後の体調まで含めて、無理なく続けられるかを考えることが大切です。

仕事を続けたいという希望がある場合は、最初から諦める必要はありません。

まずは現在通っている透析施設の医師や看護師などに、仕事を続けたいことや希望する勤務時間について相談してみましょう。

看護師からのひとこと

透析を受けながら仕事を続けている患者さんはいます。

夜間透析は、そのための選択肢のひとつです。

ただし、同じ勤務時間、同じ透析時間でも、透析後の体調や翌日の疲れ方は人によって違います。

「夜間透析なら働ける」と考えるのではなく、自分の体調と生活に無理のないスケジュールを見つけることが大切です。

仕事を続けたいという希望があるときは、ぜひ透析施設のスタッフにも伝えてください。

引用・参考文献

  1. 日本透析医学会.維持血液透析ガイドライン:血液透析処方.日本透析医学会雑誌.2013;46(7):587-632.
    https://www.jsdt.or.jp/dialysis/2094.html
  2. 日本透析医学会統計調査委員会.わが国の慢性透析療法の現況(2024年12月31日現在).日本透析医学会.
    https://docs.jsdt.or.jp/overview/
  3. 中口卓也ほか.深夜長時間血液透析への移行が心機能に及ぼす利益―長時間透析による心不全予防の可能性―.日本透析医学会雑誌.2025;58(8):380-387.
    https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsdt/58/8/58_380/_article/-char/ja/

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