「透析が必要と言われたけれど、どんなことをするの?」
「透析を始めたら今まで通り生活できるの?」
「透析なんてしなくてもいいんじゃない?」
透析と聞いて、不安や疑問を感じる方は少なくありません。
透析は悪くなってしまった腎臓の変わりとなって、体の状態を整えてくれる生きていくために欠かせない治療です。
現在では多くの患者さんが透析を受けながら仕事や趣味を続け、自分らしい生活を送っています。
この記事では、透析とはどのような治療なのか、その仕組みや種類、生活への影響について、初めての方にもわかりやすく解説します。
透析とは?
透析とは腎臓の働きが著しく低下したときに、腎臓の代わりとなって血液をきれいにする治療です。
健康な腎臓は24時間休むことなく働き、
- 老廃物を尿として排出する
- 余分な水分が体の中に溜まらないように調整する
- 電解質(ナトリウム・カリウムなど)のバランスを保つ
- 血圧の調整
- 赤血球を作るホルモンを分泌する
- 骨を丈夫に保つビタミンDを活性化する
といった重要な役割を担っています。
しかし腎臓が悪くなり慢性腎臓病(CKD)になってしまうと、これらの働きが十分にできなくなります。
その結果、
- むくみ
- 息苦しさ
- 高カリウム血症
- 食欲低下
- 倦怠感
- 尿毒症
などが起こるようになります。
透析はこのうちの「老廃物や余分な水分の除去・電解質の調整」を中心に補う治療です。
透析が必要になるのはどんなとき?
透析は慢性腎臓病が進行し、腎臓の働きが5〜15%程度まで低下した場合に検討されます。
ただし、「腎機能が○%だから必ず始める」というわけではありません。
医師は、
- 血液検査の結果
- 尿量
- むくみ
- 息苦しさ
- 尿毒症症状(気持ち悪さや吐き気、だるさ)
- 日常生活への影響
などを総合的に判断して透析を始める時期を決定します。
最近は患者さん本人の生活や価値観を大切にしながら、医療スタッフと相談して透析をはじめる時期や治療方針を決めることが一般的です。
透析には2つの種類があります
透析には、大きく分けて2つの種類があります。
血液透析(HD)
日本で最も多く行われている治療です。
腕に作成した「シャント」から血液を体外へ取り出し、ダイアライザーという人工腎臓を通して老廃物や余分な水分を除去します。
一般的には
- 週3回
- 1回4〜5時間
- 病院に通院する
治療方法です。
医療スタッフが治療を管理するため安心感がある一方、週3回の定期的な通院が必要になります。
腹膜透析(PD)
腹膜透析は、お腹の中にある腹膜を利用して老廃物を取り除く治療です。
自宅で行えることが最大の特徴で、仕事や育児を続けながら治療を行う方も多くいます。
- 週7日毎日治療をおこなう
- ばい菌が入らないような清潔操作と自己管理をする
- 通院は月1〜2回程度
という治療方法です。
いずれの治療方法も患者さんの生活スタイルや価値観に合わせて治療方法を選択します。
透析で腎臓は治りますか?
残念ながら、現在の医療では透析によって腎臓そのものが元通りになることはありません。
透析は「腎臓の代わりに働く治療」です。
ただし、透析を受けることで
- 体内環境が整う
- 息苦しさが改善する
- 食欲が戻る
- むくみが軽減する
- 日常生活を送りやすくなる
など、多くの症状が改善し体調も上向いてくることがほとんどです。
腎移植を受けた場合には透析を終了できることもありますが、すべての方が腎臓移植ができるわけではないことに注意が必要です
透析中の生活はどう変わる?
透析を始めても、多くの方が仕事や家事、趣味を続けています。
一方で、体調を維持するためには生活習慣を見直すことも大切です。
特に重要なのは、
- 水分管理
- 塩分管理
- カリウムやリンの摂取量に気をつける
- 十分な栄養をとる
- 定期的な透析治療を続ける
です。
透析と上手につきあうためには、「我慢する生活」ではなく、「工夫しながら続けられる生活」を目指すことが大切です。
医師や看護師、管理栄養士、臨床工学技士など医療スタッフと相談しながら、自分に合った方法を見つけていきましょう。
「透析を始めても普通の生活は送れるの?」と不安に感じる方は少なくありません。仕事や旅行、食事、趣味など、透析と生活の関わりについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事
透析をはじめても普通の生活は送れる?仕事・旅行・食事・趣味まで看護師がやさしく解説
よくある質問
Q. 透析は痛いですか?
針を刺すときに痛みを感じることがありますが、多くの方は治療中に強い痛みを感じることはありません。
穿刺(針を刺すこと)の痛みが心配な方は、こちらの記事も参考にしてください。
関連記事
透析の穿刺の針は痛い?痛い理由と痛みを減らす方法や和らげるポイントを看護師が解説
Q. 透析を始めたら仕事は辞めなければいけませんか?
いいえ。決してそんなことはありません。
多くの患者さんが仕事を続けていますし、続けられるように透析に通う曜日や時間を調整している方がほとんどです。
仕事が終わってから通院できるように、夜間透析を実施している施設もあります。
Q. 一生透析を続けるのでしょうか?
腎移植を受けない場合、多くは継続して透析を受ける必要があります。
ただし、いつまで透析を続けるかなどの治療方針は年齢や病状、患者さんの希望などを踏まえて医療スタッフと相談しながら決めていきます。
まとめ
透析は、腎臓の働きが低下した方の命と生活を支える大切な治療です。
初めて透析について説明を受けたときは、不安や疑問を感じるのは自然なことです。
しかし、透析について正しく知ることで、不安が少しずつ安心へと変わっていくことがあります。
現在では医療技術の進歩により、多くの患者さんが透析を受けながら、自分らしい生活を続けています。
わからないことや心配なことがあれば、一人で抱え込まず、医師や看護師など医療スタッフに相談してみましょう。
「透析とくらす」では、透析治療や日々の生活に役立つ情報を、患者さんとご家族の目線でわかりやすくお届けしていきます。
ぜひほかの記事も参考にしてくださいね

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