「透析って痛いの?」
「針を刺すのが嫌だから透析はしたくない」
「痛くない方法はないの?」
透析導入前の患者さんから多く寄せられる質問の一つが、この「穿刺の針の痛み」です。
実際に透析で使用する針は採血で使う針よりも太く、初めて見ると驚く方も少なくありません。
しかし、多くの患者さんは治療を続ける中で少しずつ慣れ、自分なりの痛みとの付き合い方を見つけています。
また、医療スタッフも痛みを少しでも軽減できるよう、日々さまざまな工夫を行っています。
この記事では、透析の針が痛い理由や痛みを和らげる方法、不安なときの対処法についてわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 透析の針はなぜ太いのか
- 痛みの感じ方には個人差がある理由
- 痛みを軽減する方法
- 医療スタッフへ相談したほうがよいこと
結論
透析の針は採血より太いため痛みを感じることがあります。
しかし
- 穿刺技術
- 麻酔の薬の使用
- リラックスする
- シャントを育てる
などで痛みを軽減できる場合があります。
昔は【痛みは我慢するもの】でしたが、令和のいまは【痛みは我慢せず、医療スタッフと対処方法を考えるもの】に変わってきています。
痛みを感じるときは医療スタッフに相談することが大切です。
透析の針は本当に痛い?
結論から言うと、多くの方が「痛い」と感じます。
採血よりも太い針を使用するため、「思っていたより痛かった」と感じる方もいます。
一方で、「最初だけだった」「今ではほとんど気にならない」という患者さんも多くいます。
痛みの感じ方には大きな個人差があるので、ご自身の感じた痛みの強さや感じ方を医療スタッフと共有するとよいでしょう。
なぜ透析の針は太いの?細い針に変えられないの?
透析では1分間に約200~300mLもの血液を体の外へ送り出し、きれいにして体の中に戻します。
そのため、細い針では十分な血液量を体の外に取り出すことができません。
十分な血流量を体の外に取り出せないと、赤血球や血小板など血液中の成分が壊れてしまい、その壊れたものを体に戻すことになってしまいます。
また、せっかく4時間透析をしたのに充分に毒素が除去できなかったり、血清カリウム値が下がらなかったり…と患者さんにとってデメリットが多くなってしまいます。
これらのことから、安全に透析を行うためには、ある程度太い針を使う必要があるのです。
痛みを感じやすい理由
皮膚や血管を刺す痛み
針はまず皮膚を通ります。
このときにチクッとした痛みを感じます。
次に血管の壁を通過するときにもチクッとした痛みを感じます。
その痛みが針が太い分、強く感じやすいのです。
シャントの状態
シャントがまだ新しい場合、穿刺をしたことのない場所に刺す場合は痛みを強く感じやすいことがあります。
皮膚が針を刺す刺激に慣れていないこと、刺激に過敏になっていることなどが原因と考えられています。
緊張
人は緊張すると筋肉がこわばります。
そのため痛みを強く感じやすくなります。
初めての透析や久しぶりの穿刺では、不安から痛みが強く感じられることもあります。
痛みを軽減する方法
多くの方が悩まされている、透析の穿刺の痛み。痛みを軽減する方法はいくつかありますので、順にかいせつしていきます。
麻酔テープ・麻酔クリームを使う
穿刺の痛みは透析患者さんの多くが抱える問題です。
実は、穿刺の痛みを和らげる効果が期待できるお薬があるので紹介します。
それは、麻酔テープと麻酔クリームの2種類です。
透析の針を刺す30分から2時間前に麻酔薬の含まれたテープや塗り薬を塗り、皮膚の感覚を鈍くすることで、穿刺時の痛みを和らげる効果が期待できるのです。
「この薬を塗ると痛みを感じない!」という患者さんもいれば、「痛みが鈍くなった」「使っても効果は感じない」など使用感はお一人おひとり異なります。
麻酔薬にアレルギーがある方、皮膚の弱い方は使用できない可能性があります。
また、使用する麻酔薬の種類や使用方法や貼る時間は施設によって異なるため、スタッフへ確認しましょう。
針を刺す部分を冷やす
針を刺す部分をアイスパックなどで冷やして、感覚を麻痺させる方法もあります。
直接・長時間当てると、凍傷や皮膚の乾燥・ただれなどの皮膚トラブルを起こす危険もあるため注意が必要です。
また、シャントの発達が不十分な方は、冷やすことで血管が収縮し穿刺しにくくなる場合があります。
冷やす方法を試してみたい方は、医療スタッフに相談してください。
深呼吸をする
緊張すると体が硬くなります。
穿刺の直前にゆっくり深呼吸するだけでも、痛みが軽く感じられることがあります。
腕の力を抜く
力が入ると筋肉が硬くなって穿刺しにくくなり、痛みも感じやすくなります。
肩や腕の力を抜き、リラックスした状態で受けましょう。
スタッフに痛みを感じやすい場所や痛みの感じ方を伝える
例えば「このあたりはあまり痛くないです」「前回ここが痛かったです」など、小さなことでもスタッフへ伝えましょう。
穿刺する位置を調整したり、配慮したり…と医療スタッフと協力して痛みを緩和できる可能性があります。
痛みが強いときは我慢しない
透析は長く付き合っていく治療です。
毎回強い痛みを我慢し続ける必要はありません。
医療スタッフは患者さんが少しでも苦痛が少なく、安心して治療を続けられるように、工夫してくれます。
例えば、麻酔を使いたい、穿刺する場所を相談したい、不安が強いなど、遠慮なく相談してくださいね。
看護師からひとこと

私たち看護師は、穿刺のたびに患者さんが緊張していること、できれば針なんて刺したくないことを知っています。
「今日も痛いかな」そう思いながらベッドへ来られる患者さんも少なくありません。
だからこそ、できるだけ痛みが少なくなるよう毎回工夫しています。
我慢せず、「今日は少し怖いです」その一言だけでも大丈夫です。
安心して治療を受けられるよう、一緒に考えていきましょう。
FAQ
Q. 透析の針は採血より痛いですか?
一般的には採血より太い針を使用するため、痛みを感じやすいと言われています。
Q. 毎回同じ場所に刺しますか?
シャントを長持ちさせるため、少しずつ位置を変えながら穿刺することが一般的です。
Q. 痛み止めは誰でも使えますか?
施設によって使用方法が異なります。希望する場合は担当スタッフへ相談してください。
Q. ずっと痛いままですか?
多くの患者さんは治療を続ける中で慣れたり、痛み止めの麻酔薬を使用して痛みが軽く感じられるようになります。
まとめ
透析の針は採血より太いため、痛みを感じることがあります。
しかし、麻酔テープ・穿刺技術・リラックス・スタッフへの相談などによって、痛みを軽減できる場合があります。
痛みを我慢し続ける必要はありません。
透析は長く続く治療だからこそ、不安や痛みは医療スタッフと一緒に解決していきましょう。


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